近年は「冬の神宮」として広く認知され、全国の学童チームの目標にもなってきている大会。センス・トラストトーナメント第20回学童軟式野球全国大会ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪(以降、ポップ杯)の開会式が5月23日、大阪・くら寿司スタジアム堺で行われた。式には関西地区の33チームが入場行進。その後はキャッチボールクラシックやフィールドの内外で各種イベントもあり、約2000人の来場者が楽しむ1日となった。
(写真提供=株式会社P&P浜松/文=大久保克哉)
旧態依然を超越
2007年にスタートしたポップ杯は、参加費が無料。予選のエントリー数も大会スポンサーも年々増えており、2025年の第19回大会は1751チームが参加し、福島県の常磐軟式野球スポーツ少年団が東北勢としても初の優勝を遂げた。
学童球界きっての名門を率いるV監督が閉会式後、「こんなに素晴らしい大会があったんですね」と漏らしたように、旧態依然と予定調和の野球大会を超越しているのも人気の秘訣だ。

開会式は33チームが入場行進した後、大阪・寺方南フェニックスの並木健誠主将が選手宣誓㊦

協賛各社のカラーや想いも生かした各種表彰のほか、趣向を凝らした演出やチーム同士・選手同士が交流を深めるイベントは年々進化。そして最大の特長は、長丁場であること。毎年のチャンピオンが決まるまでには、長い道のりがある。
まずは各都道府県で自主対戦方式の予選があり、北海道と沖縄県は1位チームが勝ち抜け。ほかの全国7ブロックでは、都府県予選上位チームによる最終予選(クライマックスシリーズ)があり、その先に全国ファイナルトーナメントがある。
優勝が決まるファイナルステージは例年、前年度優勝枠を含めて14チームによるトーナメント戦で行われる。また近年は、12月に東京の明治神宮野球場(神宮球場)で開催されていることから、学童球界では「冬の神宮」として定着しつつある。

大会会長は、かつてヤクルトや巨人で活躍したアレックス・ラミレス氏㊤。始球式は大会シニアディレクターの佐野慈紀氏(元近鉄ほか)が行った㊦

節目の第20回大会で特別協賛社も新たに迎えた今年、全国ファイナルトーナメントは、いつどこで開催されるのか。主催のNPO法人全国学童野球振興協会から、次のような返答があった。
「全国大会の日程および会場につきましては、12月上旬に明治神宮野球場での開催を軸に調整を進めております。最終的な決定は10月ごろとなる見込みです」

開会式後のフィールドでは、スピードガンコンテスト㊤やラミレス大会会長との本塁打競争㊦、ダイヤモンドリレーなどで盛り上がった

東日本方面ではこれから、夏の全国大会「小学生の甲子園」(全日本学童マクドナルド・トーナメント)の最終予選がピークを迎える。西日本方面は多くの府県で予選を終えており、すでに夢に破れたチームが圧倒的多数に。
そこから「冬の神宮」へと照準を切り替えてリスタート――こういう流れが、学童球界のスタンダードと言わないまでも、そういうチームは増えるばかりだろう。同時に、チャンピオンへの道のりは、ますます長くて険しいものになる。